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民事信託コラム第12回 『相続を受けた共有名義の収益物件の対応について』

2016年12月12日

過去に父親から相続を受けた兄弟姉妹4名の共有名義になっている収益物件(賃貸マンション)があります。

兄弟姉妹の内、最年長の長男が最近物忘れが激しく認知症の兆候が現れつつあります。

他の兄弟姉妹も高齢化が進み、いつ長男と同じような兆候が現れるか分からない状況にあります。

賃貸マンションも空き部屋が出てきており、近く大規模修繕を考えなくてはならない時期にきています。

こうした状況に陥った中で、何をしなければならないか?何か打つ手はないか?と言ったことに対応できるのが、民事信託になります。

先ず、民事信託契約を締結しなかった場合の危険性を考えると、4名が共有名義の物件であることから、一人でも認知症になり意思判断能力が低下すれば、大規模修繕の契約工事の契約ができなくなります。

また、入居者が減り空き家が目立ち、今後、賃貸マンションを取り壊し、土地を売却して兄弟姉妹の介護施設への入居費用に充当するなど、今後様々な対応ができなくなり、当該物件の権利が凍結され何も対応ができなくなる危険性が迫ってきています。

この状況を打破できるのか民事信託で、契約内容を次のような考えで組んでいくと問題は解決します。

兄弟姉妹が健全なうちに、兄弟姉妹4人を委任者兼当初の受益者とし、例えば長男、長女の息子2名を受託者に選任し、収益物件である賃貸マンションを信託財産として信託契約を締結します。

そうすると、次のようなメリッタが出てきます。

1 将来、共有者の一人が意思能力や判断能力を失ってしまう事態が発生しても、このマンションの管理や処分は受託者の権限で行う事が出来る。

2 賃貸マンションの売却を考えた場合、高齢者の兄弟姉妹4人に代わって売却の条件の交渉や売却契約が受託者の権限で出来る。

3 もし、長男に相続が発生した場合でも、長男が持つ「受益権」を長男の子が相続しますので、通常の相続と何ら変わるものはありません。そして、引き続き賃貸マンションの売却を含めた処分の権限を受託者(長男の息子、長女の息子)が行使することができます。

4 たとえ、売却せずに兄弟姉妹の一族共有の財産として所有する場合においても、大規模修繕や建て替え等の契約権限を受託者に集中させることができるので、共有者全員の承諾と同意を得ることなく契約行為ができることになります。

このように、高齢者の共有名義となった収益物件の管理についても、民事信託契約は有効に機能することを今回はご紹介させていただきました。

次回も事例を基に民事信託の有効性を紹介させていただきます。

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