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民事信託コラム第13回 『相続発生時に共有財産となるのを回避する方法について』

2017年01月26日

今回は、相続が発生した場合、相続財産が共有財産になるのを回避する方法について紹介していきます。

例えば、高齢の父親(85歳)と長男(60歳)が同居する自宅兼アパートを父親が所有しているとします。

家族構成は娘(58歳)が一人(息子から見たら妹)いて、既に他県に嫁いでおり父親の面倒を実質的に見ているのが、長男とします。

父親の財産は、アパートの敷地の土地200坪とアパート1棟、6戸でその1戸を自宅とし、父親はアパートの賃料収入を得ており、その他現金等の財産はほとんどありません。

アパートについても、建築費の借入金返済がまだ10年以上残っているとします。

このような、状況の中で父親が高齢のため、アパートの借入金を残した状態で死亡し相続が発生した場合、相続人は長男、長女(長男の妹)が相続人となり、相続財産のアパートの敷地(土地)、アパート(建物)が共有名義となります。

共有名義になると、アパートの修繕や将来的に売却を考えた場合、長男は妹に連絡を取り、承諾を得る必要が出てきます。そして更にどちらかが意思判断能力を失うような事態になれば、大規模修繕や売却などはできなくなります。いわゆる資産が凍結の状態になります。

こうした、共有を避けるため今までの民法のやり方では、

1 妹に対し別途同価値(時価評価)の財産を準備し、相続財産として相続する。

2 長男から妹に時価評価に換算した代償金を渡す。

と言った方法が考えられますが、現在の相続財産が土地と建物(アパート)で預貯金がほとんどないと状態では、同価評価の不動産や代償金を準備することは難しいことになります。

こうした状況で利用できるのが民事信託になります。

父親を委託者兼受益者、長男を受託者とする信託契約を結びます。そのうえで信託契約の中に、父親が死亡や認知症になった場合、受益権(アパートの賃料収入)の半分を長男、半分を長女(妹)に与える旨を明記します。

こうすることで、長男は父親の財産相続後(認知症を含む。)も引き続きアパート経営を自分の判断で大規模修繕や売却を行う事が出来るし、長女(妹)に対しては父親の財産の半分を相続したことと同じように賃貸アパートから得られる収益を受益者として貰えることになり、父親の残した財産を円滑に相続できることになります。

今回は、賃貸アパートを相続し共有財産となる賃貸物件のケースについて紹介してきましたが、次回もまた民法ではなかなか難しい相続について、民事信託を活用した相続事例について紹介していきたいと思います。

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